56-2009-1

ヘルシンキ 古くて趣のある建築散歩 4

ヘルシンキで最も有名な朝市は、大聖堂そばのストックホルム行きの大きなカーフェりーが氷海に浮かぶ南港周辺です。次いで、ハカニエミの朝市、地下鉄で中央駅から2駅目。映画「かもめ食堂」のロケにも使われていました。

この広場から空を仰ぐと北向きに、石造りの塔が見えます。それに向かって坂道を上っていくとカッリオという地区の小高い丘の頂に一段と高く建っている石造りの教会であることがわかります。カッリオ教会です。1906年の設計コンペによってLaes.Sonckラルス・ソンクが指名され、1912年に完成しています。前に紹介した電話会社の建物もそうですが、彼は、すでに学生時代にタンペレ大聖堂の設計で一躍有名になっています。当時は、ヘルシンキ市内で一番高かったと思います。何処からでも見えたはずです。今でも、ホテルの窓から市内を眺めると、冬の遅い日の出、冷気で空気が光って見える彼方に一段高い位置に存在感を示しています。

この教会、通称キヴィキルッコ(石の教会)というのですが、国会議事堂近くの観光客が必ず訪れる岩の教会(テンペリアウキオ)も、高くはないですが丘の上に建てられています。しかし、この時の設計条件は、この地区の雰囲気を変えない事、つまり上ではなく下、地下へ向かうしかなかったのです。時代はもちろん違うのですが、岩と石で随分異なる教会が建ったものだと、少しおもしろく感じています。

同じくヘルシンキのランドマークといえば,

1930年代に建てられた陸上競技場のタワー、リンドグレン、ヤンティーによって設計されたアールト時代の流行の白い建物です。大改修がされて1952年ヘルシンキオリンピックのメインスタジアムとして使われました。

ソンクは長生きで、1956年まで生きましたから、どちらを、ヘルシンキのランドマークと思っていたでしょう。現在、市電9番のルートが新設され、カッリオ停留所で下車すると、すぐそばです。

コメントをどうぞ